第一歌集を上梓しました『月に射されたままのからだで』
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第一歌集を上梓しました
『月に射されたままのからだで』勺 禰子(しゃく・ねこ)

『月に射されたままのからだで』書影
 
わたくしごとですが、このたび初めて歌集を上梓しました。
本歌集に収めた420首は、私がこの十年の間に目にし、耳にし、触れた、さまざまなものごとの道行きの記憶です。
 
栞文はなんと、「短歌人」編集人の藤原龍一郎さん、そして「塔」選者の江戸雪さんが書いてくださいました。さらに表紙は、幻想絵画・人形作家として著名な山本じんさんが銀筆画「淤能碁呂島(オノゴロシマ)」を特別に提供くださいました。栞文と表紙カバーだけで十分すごいです(笑)。
ぜひ、お手に取っていただけましたら幸いです。勺 禰子
 
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葉ね文庫(大阪市)
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などにも置いていただいています。

◇強い、と書いてみたけれど、ところどころで見せる罪悪感、
 抑圧された感情、行き場のない哀しみは何だろう。
 (江戸 雪・栞文「純度の高い傷、そして力」より)
 
◇自分が今生きているこの時代を凝視すること、それが
 現代の歌人の使命であることを勺禰子は熟知している。
 (藤原龍一郎・栞文「土地、言葉、時代」より)

◇自選10首
 この師走クリスマス色に彩られほんまにうれしいんか?通天閣
 すひかけのつつじがいきをふきかへしすひかへすやうなくちづけをする
 はじめてのそして最後の夕日浴び解体家屋はからだを開く
 やはらかなはなびらが母である茄子をふふめば吾に充ちるむらさき
 今生に残せるものの少なくてそのときどきの歩幅あし音
 雑巾をドーキンと呼ぶ泉州弁の祖母は呼ぶらんアベシンドーと
 それはまるで治■■■■この歌もいつか誰かに■■■■■■■
 今朝もまだ空爆のない青空で枕を寄せてまた目を閉ぢる
 キーボードに引き裂かれゐし子音母音なつかしみつつ君の名を呼ぶ
 奈良のまちを君とゆくよる日常とハレのあはひを未ださまよひ
 
 
2017年7月24日発行
四六判並製カバー装192頁
定価:本体1900円[税別]
装画/山本じん
装幀/真田幸治
【2017/08/01 03:41】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
歩幅あしあと -子の会ノ記 Vol.6より―
今年6冊目になった「子の会ノ記」に
掲載されている30首です。

といっても、短歌人誌に去年載せたものを
改めて30首に編み直し、
若干の訂正をしたものですが。。

が、改めて編み直すと、それなりに見えてくるものもあります。
今年はもっと大幅に今までの歌を編み直す予定です(!)。

子の会ノ記録についてはこちらから。
今年も濃ゆーい1冊です。

-----
「歩幅あしおと」    勺 禰子(しゃく・ねこ)

なまこ壁潜(くぐ)つて入るつきあたり竹は明るく間引かれてゐる

「やや奔放」と解説されて明代の青き魚は大皿に泳ぐ

宋胡録(スワンカローク)の発音をためす展示室みみ持つ青磁に脈がながれる

明代の青き二匹の魚(うを)のひれ学園前の夕空に消ゆ

パン屋さんの前までやつてきて気づく 食べたかつたのはおにぎり

枯れる日のあると思へぬほど繁るゴーヤーのみどり肌をそめゆく

今生に残せるものの少なくてそのときどきの歩幅あしおと

折り返し地点を返上してあゆむ遅すぎる愛などなしと決めれば

向かひあひ食めばお箸の持ち方を君はしづかに直してくれる

こがれるときのあの感触は減りゆけどいとしさは増す茶がゆ食みつつ

人の波引いてしばらく思慮深くエスカレーター止まりゆくさま

「精選国語総合現代文編」読む少女ゐて喧噪の急行にしづかな片隅

「土佐源氏」読み返しつつ辺境のはるか牛小屋の逢瀬を思ふ

かまふとかいらふとふ語の感触はなまめきを増す、語られるとき

声のよき男は仕事だけでなく「よいたのしみがある」と翁は言ひぬ

歌垣は賭けがつきもの巡礼の美女と契りし鈴木老人

人が使ふ道具すなはち民具ならばプラ容器こそ愛しかりけれ

忘れられた日本人にほんぢうにあふれ時にマイ箸マイボトル持つ

地下鉄を降りて地上へ向かふとき傘をななめに振る人はあほ

そのかみの「もののはじまりゃ皆(み)な堺」思へば無邪気な刷り込みである

包丁と茶菓子のみ残るこの街の書店つぎつぎ店を閉めゆく

黄金の日々を暮らせし商人(あきびと)の侘びて身体に茶をいれてゆく

そのかみの杉浦日向子の死を知らず吾の十年(ととせ)の波瀾にあれば

僻(ヘキ)の濃き夫婦なりしか日向子氏と荒俣氏との不協和を思ふ

東京を幻視するとき見たといふ安治の絵には夜の灯多し   ※井上安治

「宵越しの金は持てない」大火にて常に焼き払はれる江戸とは

南都にはあらぬ生駒の稜線に大火なく即ちリセットもなく

小角(おづぬ)以来の土の上(へ)に建つテレビ塔群を冠して生駒山立つ

上書きをしていけばいい 君の言ふことは正しい焼き払へぬのだから

消えもせず誰も歩かぬ元参道焼き払はれぬ堆(うづたか)さもて
【2014/08/06 19:51】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
「子の会ノ記」Vol.6
P8065214.jpg
短歌人に入会してはや7年。
「え、まだ7年?」とか「台湾歌会行ったよね?」とか(入会前です…)
「え、7年でそのツラ…」とか
色々言われておりますが、7年です(^-^;

そんな2007年前後に入会した人がなにやら自然と集まり
「新人なんだから新人らしく勉強しようよ(できるだけ楽しく)」
と集まって2008年に出来たのが「短歌人新人会」。
数年後、冒頭と同じ理由もあり「新人会もないなぁ」と、
2008年が子年(ねどし)だったこともあり「子の会(ねのかい)」と改称。
現在にいたります。(現在会員21名。たぶん)

「子の会」では毎月のWEB歌会の他、
毎年1回大きなWEB歌会をしていて(8首提出)、
その生々しい?やりとりを記録しようではないか!
と出来たのが「子の会WEB歌会ノ記」でした。
去年のVol.5まではそれを踏襲していたのですが、
「毎年これを読んでいただくのもなぁ」という意見もあり
(2段組みで100ページを超えていたこともまま…)
今年はスッキリと1人30首詠にしました。
私の歌はこちらから。

その他、
「私の一首 2013年に出会った一首」として一首評、
「吟行合宿記」として今年春の松江の吟行&歌会の記録、
去年夏の全国集会の後、有志で訪れた南相馬のミニ記録、
等々、盛りだくさんです。

今回30首詠の参加者は
小島熱子
三島麻亜子
春野りりん
大室ゆらぎ
近藤かすみ
鳥山繁之
斎藤 寛
長谷川知哲
吉岡 馨
黒﨑聡美
弘井文子
勺 禰子
中井守恵
(提出順)

よく考えてみるとこの中に高瀬賞受賞者が3人
高瀬賞佳作が3人(合ってた?)
短歌人賞が2人もいる!
子の会、すごいっ!
と自画自賛しておきます(笑)。

A5判72ページで600円。
ご希望の方がおられましたら、
残部をお分けしますのでメールフォームより勺までご連絡ください。
(住所とお名前をお忘れなく)
送料無料でお送りしますので、後日奥付の口座まで入金をお願いします。

以上、子の会広報部でした。

※ちなみに昨年のVol.5は若干残部ございます!(よっ、商売上手!)
【2014/08/06 19:42】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「ないがしろ」71ga46 昭和46年生まれアンソロジー
ないがしろ

沼尻つた子さんの呼びかけで、
1971年/昭和46年生まれのイノシシ女12人(こわ!)による
自由詠5首+今の自分にひびく歌(プチエッセイ付)の
アンソロジーができました。

その名も「ないがしろ」(笑)。
団塊ジュニアとして数だけは誇れる私たち猪組ですが
中学生が校内暴力で暴れまくっていた頃は小学生、
(阪神タイガースが25年ぶりに優勝したときは中学生w)、
女子大生がもてはやされていた頃は高校生、
やっとこさ女子大生になったと思った瞬間バブル崩壊…。
就職氷河期を牽引しつつ紆余曲折、
気が付けば
「アラフォーって一括りにせんといて!
バブル知ってる人とはそもそも人種がちがうねん!」
と言いたい、中途半端にないがしろにされてきた世代。

というわけで?
居住地も短歌の所属も来歴も、
そして何より歌柄もぜんぜん違う、
いのしし女という共通項で集まった12人の
とっても面白いアンソロジー「ないがしろ」。

7月19日の大阪短歌チョップで配布後、
7月26日までネットプリント出来たのですが
私がわちゃわちゃしている間に告知が遅れましたm(_ _)m

もともとフリーペーパーですので、
お読みいただける方がいらっしゃいましたら、
ブログのメールフォームからご連絡ください。
出力紙orデータをお送りさせていただきます。


以下拙歌から抜粋(既出歌ばっかですが^-^;)
「みちかけ」
  今生に残せるものの少なくてそのときどきの歩幅あしおと
  すひかけのつつじがいきをふきかへしすひかへすやうなくちづけをする
                               勺 禰子

「今の私にひびく歌」
  竹の道けふ風の道さやさやと在るを素直に嘉(よみ)せよと過ぐ
                               蒔田さくら子

  長生きしてみたい、長生きして歌を詠んでみたいと思ったのは36歳の冬、
  蒔田さくら子という最高に女前の歌人との出会いがきっかけだった。
  ただ「嘉せよ」ではなく嘉せよと「過ぐ」。ここで視界が無限にひろがる。(勺記)
【2014/07/30 17:58】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
十津川 ―「舟」Vol.23号より―
fune23.jpg

現代短歌舟の会機関誌「舟」23号が届く。

詩も俳句も小説も評論も、
いろんな人のいろんなものが載ってるおもろい冊子です。
会の代表の依田仁美さん(男性です)が短歌人の同人というご縁で、
私は6回目(たぶん)の参加。


「十津川」 勺 禰子

日のかげりゆく山麓を南へとひた走らせる道行きのごと

やくざものの地蔵が上にゐることを思ひ出しつつ抜ける隧道

天辻の峠の絵馬に青鬼を蹴り上げてゐるお地蔵さまは

息をのむ崩落のあと 縫ふやうに何度も何度もつくられる道

今宵十津川の人らは二十四曲もの盆踊りを踊らんとする

大踊りとふ名のしづかな盆踊り女男(めを)は扇を手に円を描く

はげしさを身に溜めぬやう送り出すしぐさか熱を帯びゆく扇

ジュリアナ東京を彷彿させて扇舞ふヨッサヨッサ男らの声高まれば

水の音に目覚めるあした君の横で場所も時代もしばしわからず

果無集落、すでに集落とは呼びがたく世界遺産を押し付ける酷

「母ちやんが死んだらおしまい十年後来てもこの景色はもうないよ」

こんこんと湧く山水にかがやいて尾根の稲穂は彼岸じみゆく

谷瀬集落へゆくゆゑ「谷瀬の吊り橋」で皆がゐるのは谷瀬ではない

県産の木造仮設住宅が日に照らされるつかのまを過ぐ

             
しゃく・ねこ/大阪府堺市生まれ、奈良県生駒市在住。短歌人


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十津川の大踊り
Wikiの参考文献みたらだんなはんの名前が載っておりました(知らんかった笑)

【2013/12/08 14:26】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
妻問婚
七草粥も終わってしまいましたが・・・
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

2013年のお正月は東へ行っては蕎麦や雑煮を食べ、
西へ行っては同窓会をしたりウン年ぶりに実家に泊まったり、
北へ行っては知らないおじいさんに案内されて小さな神社へ行ったり
している間に終わってしまいました
(あ、全部近畿も近畿、ご近所ばっかりですけど)。

ご近所とはいえ、通ったことのあるはずの新興住宅地の小さな階段を登れば
江戸時代の初めの頃からいらしたらしいお地蔵さまに出会ったりして。
お地蔵さまといっしょにならんで生駒山の方を眺めていると、
「なんか、ここずーっと前から知ってるわぁ」
という気分になってきたり(←あるいは単に妄想癖と呼ぶ)、
不思議なめぐりの中に今生きているということに気づいたりします。

とかなんとか。
去年は途切れがちだったエントリも、
少しずつ増やしていけたらと思います。

・・・
で、いろいろアップしてないままなんですが、
年2回参加させていただいている「舟」という冊子に
掲載していただいた歌をば、今年の初めに載せちまいます。

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「妻問婚」    勺 禰子(しゃく・ねこ)

大阪の夕日を海にしづめ終へさやうなら潮の遠鳴りを聴く

峠みち越ゆるは仮想 隧道(とんねる)を潜(くぐ)りて山の東に移る

その栄華忘れたやうな参道の玄関に吊るすキャットテール

西暦と和暦の自由は保障する薄くて茶色い婚姻届

①挙式なく②同居を始めたときもない、われらの犯す文書偽造罪

民法は同居の義務を強制はせぬが業平橋駅は消ゆ

君と古典基礎語辞典をめくりつつ端屋(つまや)にゐるをツマと知るなり

ツマとツミ双子のやうな語感持ち救ひ難かり循環(ループ)、人とは

後朝(きぬぎぬ)といふよりノチの朝とよぶここち。けだるきかたまりとして

十両の快速急行もろともに難波を目指す胎内潜り

朝の陽を一度たりとも浴びずある西の山肌、西へのびゆく

僧には僧の俗には俗の君と吾には君と吾とのあるべきやうわ

ハレとケのケがだんだんと多くなるくらしの中にハレは息づく

かにかくも生駒の山の龍穴にささぶね浮かべ風にしたがふ

宝山寺参道
生駒山と般若窟


【2013/01/08 22:46】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
父の盃 ―「舟」Vol.20号より―
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「父の盃」            勺 禰子

をのこ欲りし父が次々購ひし超合金は部屋にあふれて

とんち話の主人公なる父の名が恥づかしかつた学級名簿

男なら英彦といふ吾なりきサックス奏者と父の名により

ズボン裾の長い男とよもや連れ添ふなと幼き吾にのたまひき

そのかみのアイビールックを七歳の吾に刷り込みし父の満足

一度だけ叩かれしこと。理由なぞ忘れ去られて残る手のひら

手のひらの意外に軽き風圧は弱さやさしさ、同じことだが。

西洋にかぶれつづけて七十余年(ななそよとせ)最近演歌も好きといふこと

色彩の分からなくなる父の目に口に、たくあん紙のごとしも

アルコホル分解力を受け継ぎてまだ一献の機会のなきまま

ただ一度きりの二人で出かけたる池のほとりの柿の葉寿司屋

二十四の吾はお酌を知らざれば手酌の父さへ記憶にはなし

もう酒を受けつけられぬ父の前 見えぬ盃このごろ見える


  しゃく・ねこ/大阪府堺市生まれ、奈良県生駒市在住。
  

現代短歌「舟の会」機関誌に4回目の参加。
特別話をすることなくいつしか実家を出て(←わたしが、ねw念のため)、
また、近年はさらに疎遠になっていた父ですが、
病ですっかり様変わりしてしまった父を
一度詠んでおきたく思い、
なんだかいつもの歌らしからぬ一連となりました。

わたし・・・ぶさいく赤ちゃんーー(><)

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【2012/06/04 00:06】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
第18回与謝野晶子短歌文学賞
 もう一度みごもりたいと思ふ夜の厨(くりや)に水耕栽培は萌ゆ

                        勺 禰子

来月23日に堺で行われる
「第18回与謝野晶子短歌文学賞」で
篠弘さんに入選で選んでいただきました。
(入選って、いっぱいいるので、
 エントリするほどでもないっちゃないんですが^-^;)

今年は授賞式諸々が堺で行われるということで、
応募したところ、大賞!とはいかなかったのですが、
堺に住む父母はえらい喜んでくれました(^0^;

昨年の逸翁美術館の与謝野晶子短歌コンテストで
永田和宏さんに銅賞で選んでいただいて、
それまではこういうのには興味もなく、
またご縁もなかったのですが、
与謝野晶子は高校の先輩にあたるので、
それなりになにかと(勝手に)ご縁を感じる今日このごろ。

とかいいつつ、実はこの文学賞のこと
去年まで知りませんでした(すみません…)。

女学校出身の方の時代は、
まだまだ晶子のことは「あばずれ女」呼ばわりされていて、
あまり話題に出なかったとか聞いたことがあります。

私が通ってたころも、
沢口靖子はさんざん話題になってましたが、
与謝野晶子はビックネーム過ぎてw
時々、観光で見学にお見えになった方を
中庭の「君死にたもうことなかれ」の碑にお連れするくらい。
でしたねー(よね?)。

でも、高校時代にわたしはひそかに短歌を詠みはじめたので、
(サラダ記念日による!)
やはり高校は短歌とつながっているのでした。



去年の逸翁美術館のは


 おもかげを風にあたへて風の中あゆめば君は深く入り来る



以上、ご報告でした。
【2012/05/31 23:47】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(3) | コメント(0) | page top↑
日月宙 第73号
天象儀を並び見上げて手をつなぐこと易ければこそ 触れざりき

夕映えの川面 静かに並びゐてそれでも既に駆けだしてゐた

まだ荒れてゐた吾の手を天守閣ならび見しのち初めて君は、

対義語は向き合ふ言葉たちのこと 関係性は認知されてゐる

換算表は必ず比例するものと思ふ愚に枯葉は一斉に降る

抱きしめて呉れてわかつた春風がすでに吹いてゐて凍えてゐた

惨劇といふはたやすきことならず赤き腹みせ百足死ぬとき

一斗缶下げし男のゆくすゑを誰も忘れて暮るる上町

重吉のやうに光に「いつまでもかなしかれ」とただ貫かれゐる

やはらかなはなびらが母である茄子をふふめば吾に充ちるむらさき

                     勺 禰子(しゃく・ねこ)

※天象儀(てんしょうぎ)…プラネタリウムのこと
【2012/05/27 23:21】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
パレス温泉
「パレス温泉」
           勺 禰子(しゃく・ねこ 短歌人)

山腹の石灯籠につらなりてふるへるやうに点る色町

一息に石の階段かけぬけて生駒颪を吸ひこんでみる

峠から夕日が照らすたまゆらを浴めばすなはち歓喜天笑む

その栄華あますことなく失ひし参道が残すパレス温泉

君により思ひならひぬ前世の記憶がひらきだすときの音


『NHK短歌』2012年1月号 「ジセダイタンカ」に寄稿しました。
本屋さんで見かけたら立ち読みしていただけましたら幸いです(p92)。
【2011/12/27 23:50】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
定点移動 ―「舟」Vol.19号より―
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「定点移動」            勺 禰子

雲ふかき生駒の山に吸はれゆく快速急行出口あやふし

脇腹の穴をいまではうべなひて潜らせてゐる萬葉の山

大和から差し込む朝の陽を浴びて黒猫つやつや線路横歩く

これからは冬のふるへをうつしゆく車窓にときどき浮かぶ河内湖

この地層には記憶あり 人を越え土を越え朝の空気のよどみ

冷え込みは朝の景色を黒タイツ一色にして街路樹は映え

電気予報いつしか消えて暖房は冷房の三倍の消費電力

雨の日も晴れの日もしづかに流れをり市営地下鉄階段の溝を

不義理無沙汰を集めてはやし生活の糧とたはむれ御堂筋ゆく

たはむれに朝放り出し夜になり吾を受け容れる山の腹に入る

スカイツリーより八メートル高ければ生駒山上遊園地の快
勺・上
勺・中
勺・下
勺・最下

子犬呼ぶみたいに君は手を叩く永劫回帰の呪文みたいに

十五夜の全き月の刹那なう。こんどの生もまた赦されず

仮想峠を毎日越えて旅をする嗚呼こんなにも毎日は旅

                        
  しゃく・ねこ/大阪府堺市生まれ、
  二〇〇七年短歌人会入会、二〇一一夏より奈良県生駒市在住。

現代短歌「舟の会」機関誌に3回目の参加。
定点観測というより、最近定点移動しかしていない感じ
がする…けふこのごろ。
【2011/12/05 22:16】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
「記憶」―日月宙より―
「記憶」  勺 禰子(しゃく・ねこ)

内臓と女性について語り出す束の間。天井から蒼(あを)が射す

かなしみの鳥居と見ゆるそこここは潜(くぐ)ることのみ、玉津交差点

くちびるできみをふふめばたちまちにふふみかへされる昼のしづけさ

Dead Sleep 夜毎に死ぬる祝福を今生に知らぬフンボルトペンギン

一点の曇りなき空 咎といふ言葉たくみに隠されてゐる

凍み豆腐吊るされたまま廃屋の軒下の空気だけがねぢれる

峠から眺めるときに思ひ出す 女郎のあたしを殺めたをとこ

はじめてのそして最後の夕日浴び解体家屋はからだを開く

匂ひから君とひとつになつてゆく隧道(とんねる)のやうな闇さへ光

耐へられぬ軽さなぞなく存在といふ救ひあり いふ地獄あり

植ゑられし花は刈られん。わたくしは山に居ずとも密やかに咲け

ベルリンもベンツもBで始まれどモンゴロイドのVの幻聴

この師走クリスマス色に彩られほんまにうれしいんか?通天閣

上映会なれば見知らぬ人たちと並び観てゐる金魚の交尾

地は破る、いや千早ぶると打ちたきにIME変換は唐突に覚醒す

うつそみのものとしてある夕焼けの川面が櫂を揺らしてをりぬ

君帰り河内にひとり眠る夜の君の匂ひのすれば、泣かぬよ

風の強さは風の気持ちの強さゆゑ吾も立ちたるまま風に向かふ

念仏の如く呪文のごとくその意味から解かれ、やみに触れたり

もうなにもしんぱいせんでええんやと言はれてるやうな「おやすみ」の声


----------

石関芋平さん主催の「日月宙」に参加させていただきました。
既出歌でもOKとのことで、
3年ほど前からの短歌人誌に発表した歌で、
まとめてみたかったものを。

連作ではないのに連作みたいになるというのは、
長所でもあり、かなり短所でもあるということは
自分が一番よくわかってはおりますが…。

でも、まとめられてよかった。
お声をかけていただいた花森こまさまにも感謝。
ありがとうございました。

そして最近のわたくしは…
もっとちゃんと詠まねばならぬ。
おのれが、一番よくわかっております。。。



【2011/11/27 22:35】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
短歌人2011夏季全国集会inコスモスクエア
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短歌人の全国集会は年2回。
1月学士会館での新年歌会と、持ち回りでの夏の歌会。
今年は関西が担当となって、8月6日、7日と
南港のコスモスクエア国際交流センターで開催された。

毎年約100名が集まって、
ゲストの方の記念講演、オープニングパーティー、恒例の深夜サロン
そして続・深夜サロンで1日目が終わり、
翌朝9時から(どんだけ飲んでも)ピシッと夕方までひたすら歌会がある。

2008年最初に参加した神戸の集会では
続・深夜サロンが終わったのが午前3時半は軽くまわっていたなぁぁ
なんかみんな最近おとなしくなったよなぁ、とか思って
1時半ごろ解散。
でも、ゲストの島田修三さんは、
「短歌人と心の花に呼ばれると朝まで飲み会なので気をつけろ!
と昔は有名でした」というような話をされていたので、
午前3時半ではまだまだ中途半端だったのかも(笑)。

今年は大震災のあとで、そもそも開催できるのか、
という不安もあったかもしれないが、
オープニングパーティーで蒔田さくら子さんがお話してくださったのは、
3月13日の東京歌会もエレベーターが止まっている8階の会議室に
30名以上の人が自主的に普段通りに集まった。
普段短歌はとても個人的な営みで、
特に短歌人は徒弟制でもなんでもないので、
一致団結して、とか集団で、という意識がそれほど強くないけれど、
ここに来て、一人じゃないという思いを本当に強くした。
ということ。

そのように、夏も仙台のKさんはじめ全国の人が
震災だけでなく、普段それぞれに抱えている日常は日常として、
2日間を短歌のために集まった。

こんな時に短歌なんてやってる場合か、
という人がもしもいたら、
私は別に反論はしないけど、
その人のことをちょっとかわいそうだと思うだろう。

蒔田さんの言う「一人じゃない」は、
物理的、というよりも上の意味も込められていて、
震災だけでなくたとえば、

パンのみで生きるにあらず配給のパンのみみにて一日生きる

と詠うホームレス歌人公田氏が決してパンのみみだけで生きていたのではない
というのと同じだ。

とまあ、そんなことばっかり考えて過ごしたわけではありませんが、
大上段にかざすことも、
不必要に卑下することも、
そもそもそんなことなーんも考えずに、
ふつうに集まってわいわいやって解散していくこの2日間が
かなり愛おしいのでした。

20110807_131941.jpg

※写真はかなり面白いのがたくさんあるのですが、
 個人写真が多いので省略w。
 ミクシィのアルバムで限定公開してるので、
 短歌人の方で見たい人がおられたらマイミクになってください。
【2011/08/13 16:39】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
「逸」29号
逸001

花森こまさんの個人誌「逸」は、
俳句、短歌、川柳、小説、評論(この順番はあまり気にしないやうに)、
ぎゅっと濃い冊子。薄めて冊子だけ分厚くなんて考えも及ばないような
みかけのわんこに関わらず硬派な冊子(いや、わんこだって、実は硬派)。

今回10首で参加させていただいた。

しかし今回で休刊、である。
休刊というからには、休んでるだけだ。
ぼちぼち待っていよう。待っています。

ふたたびはある絵の中のささやき 花森こま

A5判 50P 頒価1000円
(在庫あるのかな? 勝手にとりつぎますのでwご希望の方はご連絡を)


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ことぶれの春     勺 禰子(しゃく・ねこ)

ジプシーは差別用語である しかしジプシーはジプシーだからジプシーと呼びますと指揮者は言ひぬ

そのむかし悪魔の音色と呼ばれしは「男女が仲良くなりすぎる」ゆゑ

ハンガリー舞曲弾き続けるうちに楽団員らから滲みくる…

あさなゆふな皺ひとつない笑顔にてプチ整形説く小国院長

「雅こそ本流 侘はその横のちよこつと」冷泉貴実子氏のたまふ

大阪はメガとめちゃとが同一化して「めちゃシティータワーズ分譲」

石の「し」が短調「石焼~き芋ぉ~」が来て午後四時かなしくなるオフィス街

春にだけ顕はれ歌を唄ふ人そのむかしをり世界中にをり

おもかげを風にあたへて風の中あゆめば君は深く入り来る

立ちのみのコップの下の平らけき皿をして君と三三九度をす

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写真は玄関から徒歩15分の生駒聖天宝山寺
TOP OF 現世利益!
とにかくこの永代浴油料をご覧あれ(4番目の写真)。
ご、ごしぇんまんえん…。
人は何を祈念するとき、
これだけの大枚をはたくのか。。。
SANY9463.jpg途中の熊鷹神社
SANY9466.jpg途中の景色
SANY9476.jpg千と千尋の神隠しの油屋前を彷彿 門前町
SANY9509.jpgそして、宝山寺。歓喜天がお出迎え(秘仏やけどね)※写真は入口、奥は獅子閣
SANY9525.jpgそして本堂と般若窟


ここに来ると聖と俗とはもはや表裏一体でもなく、
裏と表の境なく繋がっているのを感じる。
「ことぶれの春」で描きたかった、
禁忌、といえるものに近い世界、に生駒は似ている。
というより、生駒山全体が禁忌、なのだろう。
禁忌(タブー)と知るためには、
それに触れて体感しなければならない。
限りなく俗なものと、限りなく聖なるものは、ほぼ同一に近く、
ケガレとは褻(ケ)が枯れる、つまり日常でないという意味で
聖と同義だから、
「プチ整形」と「大阪弁・めちゃ」
の間に据えられた冷泉貴美子さんは、
それゆえ怒ってはいけないのである。

門前町の「旅館」については、いずれ。

【2011/07/25 23:45】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(6) | page top↑
解体家屋 ―WEB歌会ノ記より―
「解体家屋」    勺 禰子

ゆら、と夾竹桃揺れて大阪の午後二時半八月は混濁

台風のちかづくといふまひる間の日傘しなるわしなるでしかし

序説とか序章にいつも縁遠く大抵本論のただ中だ

夕方の急行に乗る駅ナカで逢ひ飲みかすかに触れあふために

はかなさをおもふときのみ存在が確かさを主張してきて困る

はじめてのそして最後の夕日浴び解体家屋はからだを開く

とりわさは何故にとりわさびといはぬ行方不明の「び」を思ひ食む

きみかんでゐるたくあんをはんぶんこしてゐるしづかに夜がちかづく

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短歌人会の中で「自薦他薦を問わず新人」のメンバーで始めた「新人会」
すでに「新人」というのもなんだかちょっと…という広がりを見せて、
始めた2008年にあやかって「子(ね)の会」と改称。
その「子の会」で毎年お正月に1か月かけてあーでもないこーでもない
とWEB歌会を催したものを冊子化して、今年で3冊目になりました。
去年までは短歌人誌1月号に載っている自分の歌をUPしていたのですが、
今年は1年間の短歌人誌掲載歌から自分で8首選び、
題をつけなおしてもいいというルールに変更。

冊子は定価600円(送料込)。
A5判 2段組 104頁
17名×8首の相互批評+昨年の吟行合宿(石山寺)記録

残数を先着順でお分けできますので、
ご希望の方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。
ブログの左のすごーく下の方の、
メールフォームからメールできます。
送付先をご連絡ください。

SANY9439.jpg
                         編集協力:ささぶね編集工房
【2011/06/15 22:31】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(5) | page top↑
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