属性
『秋の花 春の花より濃く匂い、においとは死の属性と知る』 禰子

昨年ふっと詠んだ歌が、またひょっこり顔をだした。
昼間は、もういい、というくらい暑いけど、
秋はもう来ている。

四季があって、ほんとうによかった。
どの季節もそれぞれにいとおしい。
【2007/09/21 06:45】 | 日々雑記 | トラックバック(0) | コメント(5) | page top↑
石と音と
『中東の聲明(しょうみょう)聞きながら越ゆるとき闇を増す山中渓(やまなかだに)は』 禰子

実は近すぎて、和歌浦に行ったことがなかった。
朽ち果てるにまかせた旅館がたくさんあるという。
軍艦アパートの二の舞を踏まないうちに、ということで昼前に出発した。


風化しつつある、その名も「不老橋」 
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岩山全体が御神体の塩竃神社
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いつ崩れてもおかしくないような三断橋
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岩をそのまま削っただけの階段。
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本来、生き物であるはずの石は、
見た目の風化にゆっくりと身をゆだねながらも、
それぞれの時をしっかりと生きているようにも見える。

黒い雲が近づいてきて、神社の前後2回、
雨宿りも兼ねて岩の真下の喫茶店で休憩。
あちこちの石の力を感じつつ、肝心(?)の廃墟はスパンの短い、
あまりに儚いもののような気がして、もうどうでもよくなっていた。
一応和歌浦の路を一通り走ってみる。
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朽ちてゆくときの美しさとはなんだろう。
元あったものに、またどれだけ同化してゆけるか、
そんなことだろうか。
不老橋に刻み付けられた渦巻きに込めた願いのように、
何度でも生まれかわれるかどうか、ということだろうか。
町中の廃墟は、成仏しづらい。
今の人間みたいに?
そんなことを少し考えた。
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帰りの阪和道で、コーランのCDを聴いた。
昔の難所、山中渓(やまなかだに)の空中を飛ぶような高速道路の上で、
なぜかコーランがすっと体に沁みこんでゆく。

器があっての命と、
器がなくなってからの命を
結ぶものは音・揺らぎ、なのだろうか。

石が気の遠くなるほど長い時間抱えている音(たましひ、とも?)を、
少しでも知りたくて、
人は石をまつるのだろうか。
【2007/09/17 02:05】 | ディープ和歌山 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
短歌人 9月号
遠ざかりゆく子と夫を遠景として眼を瞑る二色ノ浜ゆ

今生の別れのような爆音が橋の向かうの離陸を告げる

さやさやと木漏れ日つくる葉桜を上からみてゐるベランダの飢え

死んでゐるやうに見えても千切るとき白い泪を流す菩提樹

ぬばたまの闇もうなくてうっすらと見透かされてる真夜のベランダ

まだ嗅がぬ遠野の森を踏み分けてゐる月曜日 道行きじみて

勺 禰子 (しゃく ねこ)
【2007/09/01 00:00】 | 短歌人誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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