短歌人 2011年10月号
難波津をこぎいづる船ゆきかひしあたりに聳ゆ咲洲(さきしま)庁舎

今はむかし国際港と思ほえばコスモスクエアとふ名をば肯ふ

しやくさんはあの釈ですかと問はるるに十勺で一合の勺ですとは言へず

コスモスクエア国際交流センターに万葉の雨ごもりじみつつこもる

吾のゐぬ生駒の家に君は来てシャワーを浴びて去ぬとメール来

人工島にも地名の力は残るゆゑ住之江区から生駒山思ふ

蝉の声遠くに聞こゆ爪先に雨じんわりとしみる速度で

                     勺 禰子(しゃく ねこ)


短歌人2011夏季全国集会inコスモスクエア


難波津を漕ぎ出て見れば神さぶる生駒高嶺に雲ぞたなびく(萬葉集巻20/4380)

君があたり見つつも居らむ生駒山雲なたなびき雨は降るとも(萬葉集巻12/3032)

夕さらば潮満ち来なむ住吉(すみのえ)の浅鹿(あさか)の浦に玉藻刈りてな(萬葉集巻2/121)


【2011/09/28 00:51】 | 短歌人誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
008:下手 (勺 禰子 しゃく・ねこ)
天象儀の下手を絡めあうことはたやすければこそ 触れざりき
【2011/09/25 21:06】 | 「題詠blog2011」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
007:耕 (勺 禰子 しゃく・ねこ)
耕せばいよいよ潜るものありて真黒き土の匂いのみ嗅ぐ
【2011/09/11 01:03】 | 「題詠blog2011」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
006:困 (勺 禰子 しゃく・ねこ)
ひとりだとこんな時とかあんな時そうそんな時も、困るやん
【2011/09/11 00:57】 | 「題詠blog2011」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
005:姿 (勺 禰子 しゃく・ねこ)
荷姿はあなデコラティブ開けてみれば底に一冊Amazon.co.jpより
【2011/09/11 00:45】 | 「題詠blog2011」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
004:まさか (勺 禰子 しゃく・ねこ)
あらみたまさかゆる国の海に来てまた帰りゆく 紀伊の海より
【2011/09/09 07:14】 | 「題詠blog2011」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
十津川 ―短歌人 2009年9月号再掲―
短歌人 2009年9月号再掲      勺 禰子 (しゃく ねこ)

山すべて賽の河原となりはてて崩れては積む十津川のみち

崩れやすき山に暮せばかたくなにこころ堅めて十津川の武士

峠道草が覆ひてけものみち今はしづかに眠る坂道

日没のもう済みてある奈良盆地残るひかりが駆けおりるまで

今朝摘んだ花のにほひの中にある遠い昔と未来の記憶

念仏の如く呪文の如くその意味から解かれやみに触れたり

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ここ数日、
頭で考えている以上に、
台風の災害のショックが強い。
土砂崩れはしょっちゅう、
崩落もしょっちゅう、
そんな紀伊半島でも、
これだけのことになったのは、
たぶん明治の大水害以来ではないか。

近いうちに
ちゃんと新しく歩き直したいと思っていた、
吉野の山々、その向こうの新宮、
みんなめちゃくちゃになってしまった。

こんな歌、あほみたいだ。

自身の中で3月の大震災と、
今回の台風被害を並べたとき、
精神的なショックは疑いようなく、
紀伊半島だった。
それだけ、離れた場所への想像力や
人や世界を思う気持ちが、
わたしには欠如しているのかもしれない。
でも、やっぱり今度の台風は
あまりにかなしい。                         
【2011/09/06 22:44】 | ディープ奈良 | トラックバック(0) | コメント(7) | page top↑
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