短歌人 2012年12月号
スマホにて『翁の発生』読み直す長月尽にゆく島のため

台風十七号(ジェラワット)直撃するといふ島に向けて発つ日の伊丹快晴

見おろせばさざなみのごとあんなにも越え難かりし生駒の山は

海上の道のみをゆく折口と思ひしが昭和十一年那覇を飛行機で発つ

嵐の前夜市場本通りで購ひしカーサムーチー分け合ひ食ぶ

はめ殺し窓から涙つぎつぎにあふれる秒速六一メートルの雨

みたされて風もそよがぬ陰(ほと)として緑濃くする斎場御嶽(せいふあうたき)

                                  勺 禰子(しゃく・ねこ)

※『翁の発生』 折口信夫(おりくちしのぶ)

会誌に先を越されてしまひました…どうなる、「首里へ」…
【2012/11/27 23:55】 | 短歌人誌 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
首里へ 2
首里へ 1からだいぶ経ってしまいましたが、つづき です。

「猛烈な台風17号(ジェラワット)」より一足早く沖縄本島に到着した
大和男と大和女(この場合、島人に対してではなく、奈良ということで。
けれど産地で言うと河内男と泉州女ですが…)、世間は台風一色のなか、
まず腹ごしらえとのんきにソーキそばを食べながら、
「なんくるないさぁ(なんとかなるやん の琉球言葉)」を合言葉に
ゆいれーる1日乗車券を求めて移動。
果たして、ゆいれーる自動券売機には無情の
「明日は台風のため朝から運転を中止しますので
一日乗車券は発売しておりません」の貼り紙が。。。
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まあそれも沖縄に来た経験ということで、とりあえず普通乗車券を買って乗る。
そとは時々パラパラと雨。運転士さんは、かりゆし(アロハ)シャツ。
下を見ると植物の育ち方がなんだか違うことにだんなさんの目がくぎづけ。
「ねこやん、あれ(奥のん)は松やろうか? 関西の松とはえらい違うなぁ」
「そら、こんだけ離れてあったかいからさー。
 育ち方も種類も違うさー」(私いつから沖縄弁w)
などと言いながらゆいレールは那覇港に流れこむ国場川を越え、
久茂地(くもじ)川に沿った旭橋駅へ。
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うまい具合に雨はやんでいた。
とにかく本降りにならないうちに首里城くらい行っておこうと、
ホテルのフロントへ荷物を預け、そのまま出る。
ホテル前から30分に1本のバスがちょうど来た!ラッキー!ということで、
昼下がり(と言えるほどのんびり感はない、台風前のざわつきの中)、
中東の家々を彷彿させるような、
少し枯れたようなコンクリートの民家を見ながら
城(ぐすく)への坂を揺られていく。
バスを降りるとサンゴの歩道をしばらく歩く。
20120928_145139_0.jpg

首里城公園には同じように「台風がくる前に行っとこか組」が結構いた。
琉球衣装で記念撮影を、と呼びかけているおねえさんに近づいていく男子約1名。
え、雨やのに衣装着たいのん?と思っていると
「この上の木、琉球松ですか?」と聞いている。
「そうですよ」と親切なおねえさん。そのほかにも色々木の名前を教えてくれた。
「やっぱり、沖縄の植物は元気やねー、ありがとう!」とその場を立ち去る2人。
今度行ったらタダで聞いてばっかりせずにちゃんと撮ってもらいますね(^-^;
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守礼門をくぐり(人物付の写真しかないので飛ばします)、
「そのひゃんうたき」へ。

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漢字で書くと「園比屋武御嶽石門」。首里城へとのぼる階段の下にあり、
国王や聞得大君(きこえおおきみ)が巡礼に行く際に最初に拝礼した場所。

この門の奥に何があるのだろうと思うが、門の奥には別に何もない。
何もない場所に何かがいっぱい詰まっているのが
御嶽(うたき)とか、森とか呼ばれるもの。
「パワースポット」ということばよりも
「場力」(ばぢから)という方が音的にもふさわしい、
とにかく力がみなぎっているところだけれど、
外見は案外「パサ」っと枯れた感じがある。

けれど、いざというときにその「場」には
いろんなものを貯める力があるのだと思うし、
実際にその場に立ってみると、
なんとなくみなぎっているものがある。

そんなことを思いながら首里城を見上げると、
復元された門の下ののカーブがかわいい。
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加工のしやすい(つまり崩れやすい)琉球石灰岩を使っているので、
独特の積み方で強度を増しているそうだ。

とりあえず、今日は入口までにしときませうか。


海上の道のみをゆく折口と思ひしが昭和十一年那覇を飛行機で発つ
                               禰子(どんだけ字余り)
【2012/11/19 22:23】 | 番外編(江戸・琉球) | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
大職冠
「大職冠」といふ名のバス停だけ残しいい人だつたのかも鎌足は  勺 禰子

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写真は東明寺 in 大和郡山市矢田町

朝からみっちりの所用のあと、午後の踏査?に向けて急いで移動。
だいーぶ昔に詠んだ歌を、そのバス停を通ってふと思い出した。
ところが、初出では「残し」ではなく「残り」となっていた。
自分の歌もええかげんにしか覚えられなくなってきました…。

閑話休題

この歌については某歌会で下記のようなご指摘をいただいた。
この歌の「大職冠」は最後に鎌足と出てくるのだから「大織冠」のはずである。
「職」は誤字ではないか。それぐらい知らなくてどうすんのさ!
とまでは言われませんでしたが、歌詠みの知性を思わされるエピソード?

ですがですが、このバス停は本当に「職」なのれす。

Wikipediaをそのままお借りすると
大織冠(だいしょくかん、だいしきかん)は、647年から685年まで
日本で用いられた冠位、またその標章たる冠をいう。
冠位としては単に大織ともいう。冠位の最上位で、下には小織がある。
史上藤原鎌足だけが授かった。

とあります。なので、「社長!」と呼べば一斉に数百万人が振り返る
ようなことではなく、「大織冠!」と呼べば幽霊であろうが人であろうが、
鎌足氏しか振り向いてはいけない。
と、こういうお名前なんですね。

バス停の近くには「大織冠鎌足神社」という神社もあり、
冠山町や藤原町もあり、南郡山町には「大【職】公民館」もあるのですが、
町名にはもう「大【職】冠」はないようです。
どうしてバス停だけ「大職冠」が残ったのか
そしてそれはなぜ「職」なのか。。。

ご存じの方がおられましたらぜひぜひお教えください。
【2012/11/18 21:52】 | ディープ奈良 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
題詠blog 020:劇(勺 禰子 しゃく・ねこ)
夢のなかで劇に出ている夢をみてその夢は覚めてまだ夢のなか
【2012/11/05 00:17】 | 「題詠blog2012」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
題詠blog 019:そっくり(勺 禰子 しゃく・ねこ)
そっくりに我慢できない贋作屋きょうも己のサインを残す
【2012/11/05 00:14】 | 「題詠blog2012」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
題詠blog 018:希(勺 禰子 しゃく・ねこ)
ケッタイと希代は同じマイノリティけれど矜持の袂を別つ
【2012/11/05 00:09】 | 「題詠blog2012」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
題詠blog 017:従(勺 禰子 しゃく・ねこ)
抗えど従えど風は吹いてくる水の湧き出る井戸の中から
【2012/11/05 00:01】 | 「題詠blog2012」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
題詠blog 016:力(勺 禰子 しゃく・ねこ)
女子力は美魔女じゃないと練炭をくべて微笑む木嶋佳苗は
【2012/11/04 23:54】 | 「題詠blog2012」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
題詠blog 015:図書(勺 禰子 しゃく・ねこ)
走り書きの配置図書いた箸袋見つけて昨夜(きぞ)の宴思い出す
【2012/11/04 23:44】 | 「題詠blog2012」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
題詠blog 014:偉(勺 禰子 しゃく・ねこ)
ご当地の偉人の名など連呼して大阪忘れて諸国を行脚


※いはずもがなですが・・・某市長
【2012/11/04 23:18】 | 「題詠blog2012」 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
困ったときは目をあけて ~釜石小学校校歌~
NHKで放送された
「教育のチカラ 尾木ママ登場 教育は現場で起きている!」
をNHKオンデマンドで視聴。

昨年の大地震の際、釜石小学校の児童たちが
「避難なんかしなくていい」という大人も説き伏せて
みんなで丘に上がって無事だったという、
「釜石の奇跡」と呼ばれた、その行動力を探りに行く
というもの。

「釜石の奇跡」という言葉はなんとなく聞いたことがあったけど、
「奇跡」という時点でなんとなく引いてしまって、ちゃんと見聞していなかった。
すでにいろいろなところで取り上げられていると思いますが、
自分自身の備忘録というか、振り返りたい言葉を下記しておきます。

小学校では常に映像や訓練で地震や津波への備えを怠っていなかったこと、
それだけではなく、普段から児童ひとりひとりが「自分は認められているんだ」
という自己肯定感を持てるよう、否定から入るのではなく
認めるという取り組みをしているということなどが語られていた。

そして一番説得力があったのが釜石小学校の校歌。
毎朝この歌を唄うというこどもたちは、なんとなく幸せだなぁと思った。
私も毎朝唄ってみたくなった。
ことばはことばでしかないかもしれないけれど、
ことばは体にみなぎる、とやっぱり思う。


『市立釜石小学校校歌』

作詞 : 井上ひさし

いきいき生きる いきいき生きる
ひとりで立って まっすぐ生きる
困ったときは 目をあけて
星を目当てに まっすぐ生きる
息あるうちは いきいき生きる

はっきり話す はっきり話す
びくびくせずに はっきり話す
困ったときは あわてずに
人間について よく考える
考えたなら はっきり話す

しっかりつかむ しっかりつかむ
まことの知恵を しっかりつかむ
困ったときは 手を出して
ともだちの手を しっかりつかむ
手と手をつないで しっかり生きる

※音曲はYOUTUBEなどで出てくると思います。
【2012/11/04 09:36】 | 日々雑記 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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