短歌人 2016年1月号  ふれる
ああ猫に触れ続けたしけものたちに毛がある至福に溺れながら

心よりからだは素直からだよりさらに素直に毛髪はあり

撫でられるためだけにあるもの数へ極まれるスマートフォンの液晶

「裏まるごと起毛であつたかマジックパンツ」の注文番号六桁を打つ

露出して生きてゆくのみ指先は世界に触れ続ける鈍さもて

面と線の違ひを思ふ夕まぐれ幼き吾に天使の輪あり

けものとは言ひがたかりき和毛さへいつしか薄れいつしかおとな

触れがたき奥処に育ちはつか吾を撫でては剃られてゆく君のひげ

                  勺 禰子(しゃく・ねこ)

【2015/12/27 15:37】 | 短歌人誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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