この山道を
『葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり』 折口信夫(釈迢空)

新しい年になった。
あざやかに情景が目の前に立ち現れる歌として、私は折口信夫のこの歌を思う。葛の花は秋なので、季節的にちがうじゃないか、とも言えるのだけれど、それ以上に「新年」の気分に近いものがある(ような気がしませんか?)。

(禰子訳)こんなに山奥に、私以外の人が通ったような空気なぞ、どこにもないというに、踏みしだかれた葛の色は、ついさっき踏まれたように新しいにじみを陽にさらしている。
「山道」を辿っているのは、わたしだけじゃない。と思うときの、私だけだと思っていたのに私だけじゃなかった喪失感と安堵感。かなしいのにうれしい。ひとりぼっちなのにひとりぼっちじゃない。私じゃなくなったのに本当の場所に辿りついた気分・・・私もまた皆が通る「この道」を今歩いているのだ。

『今朝摘んだ花のにおいの中にある遠い昔と未来の記憶』 禰子

【2007/01/01 02:51】 | 日々雑記 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
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コメント
明けましておめでとうございます。
とても素敵な歌ですね。言葉のセンスって
毎日毎日そういうものを読んだり書いたりすることで
磨かれるものではないでしょうか?

自分で考えることは難しいけどいい言葉だなと
触れること、そしてそれを紹介することは
自分のなかでとっても幸せなことなんじゃないでしょうか?

ぼくもブログ立ち上げてそういうことを練習する場に
したいなぁ。けどブログって難しそう。。。

今日覗いたHPでの一言 byしりあがり寿
「ホントに歴史はつながっているんだな、と思う。
今おきてる現象の元をたどると実は何十年も前の事件や政策だったり、そしておそらくその何十年も前の事件や政策もまたその前の何かの帰結なのだろう。また逆に、現在から未来へ向けてもこの瞬間のさまざまな判断が将来のありようを大きく左右するように めんめんとつながってゆくにちがいない。」http://www.mishimasha.com/fun.html
【2007/01/03 09:51】 URL | 加速装置(もりたです!) #-[ 編集] | page top↑
もりちゃん;
いつもありがとう。もうすぐまた会社が始まる(あしたやん!)、と思うと、
思考回路がどんどん、どんどん、山奥に行ってしまいます(苦笑)。歴史はつながっていますね。それと同時にいつでも明滅している。ミヤザワケンジの「春と修羅」にあるように。
今、宮崎駿の「風の帰る場所」という12年間のインタヴューをまとめた本を読んでいます。楽しい話ばかりじゃ、ぜんぜんないんですけど、「あはは!」と声をだして笑いたくなります。
【2007/01/04 09:24】 URL | 禰子 #-[ 編集] | page top↑
すんません、補足です。
読み返してみたら、なにが「あはは!」か分かりませんね・・・(汗)。言葉が足らなさ気味なので、なにかをうまく伝えられているのかいつもよくわかっていないところがあります。すみません。
「あはは!」の意味は「自分にも嘘つきたくないし、でも嘘つき(すべては動態なので、ほんとは嘘つきでのなんでもないのですが)なことにも嘘つきたくない!という誠実な姿勢に共感します」ということです。う~ん、どんな本なのかくらい説明できたらいいのですが。ゴメンナサイ。ますますなんのことだか・・・
【2007/01/04 19:22】 URL | 禰子 #-[ 編集] | page top↑
http://blogs.yahoo.co.jp/cannondaleym92

ぼくもブログやってみます。
詩吟と読書と自転車にしてみます。
どうやったら面白くなるかなぁ。
【2007/01/06 09:39】 URL | 加速装置 #-[ 編集] | page top↑
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