お水取り(十一面悔過法要)
20090311otaimatsu1.jpg

一般に「お水取り」の名前で知られる東大寺二月堂の「修二会」、正式には「十一面悔過(けか)法要」をみてきた。
ロープが張られ出入り禁止になる前に入れば、二月堂の上でも見学できる(今まで知らんかった!)「お松明(たいまつ)」、これが「お水取り」と思われがちだが、これは「お水取り」の行法をする練行衆の道案内をするための松明で、連れ立って上った僧は堂の中へ入り、案内の終わった松明が火の粉を吹いて堂のまわりをかけめぐるのが、よくテレビでやっているやつのこと。僧(というか、練行衆)は11人。なので、松明の数も最高時11本。普段が10本なのは、一人は用意をするために先に堂に上がっているので、道案内が必要なのは10人(最後の日だけ、「お水取り」に下の若狭井に全員で行くので11本必要)、ということらしい(・・・という説明を聞いたつもりだけど、もしかして多少聞き間違いがあるかもしれませんので、正確にお知りになりたい方は、各自お調べくださいませ。相済みませぬ。また、若狭井のリンクは去年行ったホンモノの若狭井の日記へ飛びます)。
「十一面悔過(けか)」というのは、本尊が十一面観音なので、その観音様に去年1年の懺悔(悔過)をする、ということらしい。

午後7時になると、堂内の明かりがすべて消され、長い石の階段の下からメリメリという音が聞こえてきて、ふわりと暖かくなる。松明がやってきた。
完全に天井に火がとどいている。異様なメリメリ音は、小さいとき辛うじて見たことのある正月の獅子舞みたいに、松明そのものが生き物のような迫力を増しつつ近づいてくる。その火の粉を後ろから箒で掃き清める係りの人もいて、メリメリ音や、観衆のざわめきとはうらはらに静寂を感じる。
神社に行っても手も合わせない日々がずいぶん続いたが、最近はやはり普通に手を合わせる。そのほうが、結局のところ気持ちが落ち着くことに気づいたからだ。
でも、今日はそれとはまた別の、なんとも言いようのない気持ちになって、初めて「手を合わせずにはいられない」ような気持ちが湧き上がってきて、気がついたら手を合わせて巨大な火の塊を拝んでいた。あの昂ぶりはなんだったのかな、と思う。全国に火祭りの多いことを思う。
ちなみに、松明がそばを通るときは、上記の「ふわり」どころではない。業火だ。

松明が終わってから午後8時半ごろまで、堂内で行法を聴聞していたが、
その話はまた書く気力があれば。
一言だけ書いておくとすれば、帰る間際に聞いた法螺貝の旋律が、何故かビョークの音楽のリズムや音感ととても似ていた。不思議といえばかなり不思議。

二月堂の後ろでもやもやと雲に隠れていた月は、
帰宅途上、空なんか見ずに歩いていてもまぶしいくらい光っている。
見上げると満月だった。

ふと昨日短歌人のみはるさんがブログで紹介されていた柳原白蓮を思い出した。
柳原白蓮は、女性歌人の紹介をしている新書で読んだのが最初で、そのままほとんど忘れていたが、今年に入ってすぐ、たまたま仕事で彼女の記事(といってもゴシップ記事のようなものが大半)を目にする機会があり、また読みたいと思っていた。
家に着いて、道浦母都子『女歌の百年』(岩波新書)をぱらぱらめくる。


「ゆくにあらず帰るにあらず居るにあらで生けるかこの身死せるかこの身」
                                    『蹈絵』 柳原白蓮

20090311otaimatsu2.jpg
【2009/03/12 00:48】 | ディープ奈良 | トラックバック(0) | コメント(8) | page top↑
<<お水取り(十一面悔過法要) 補遺 | ホーム | 少々悪趣味ですが…再登板。>>
コメント
詳細なレポート、多謝!
で、なあんですって?! 二月堂の上でも見学できる! 松明がそばを通るときは業火! 堂内で行法を聴聞!
う~~~、いつかぜひ体験したいです! その節は禰子さんのガイド、予約します。^^
「ホンモノの若狭井」から二月堂まで、シルクロードの東端の果て、ですね。絶対にお水は伝わってきていますとも! 万物は融通無碍なんですから・・・(佐治晴夫さんという方のエッセイを読んでいて~科学者の方なんですが~そんな気分になってきました。)
【2009/03/12 05:30】 URL | tamaya #wMURzdEY[ 編集] | page top↑
禰子さん


迫力のレポート、有難うございますv-42

以下、長い引用します。

「完全に天井に火がとどいている。異様なメリメリ音は、小さいとき辛うじて見たことのある正月の獅子舞みたいに、松明そのものが生き物のような迫力を増しつつ近づいてくる。その火の粉を後ろから箒で掃き清める係りの人もいて、メリメリ音や、観衆のざわめきとはうらはらに静寂を感じる。
神社に行っても手も合わせない日々がずいぶん続いたが、最近はやはり普通に手を合わせる。そのほうが、結局のところ気持ちが落ち着くことに気づいたからだ。
でも、今日はそれとはまた別の、なんとも言いようのない気持ちになって、初めて「手を合わせずにはいられない」ような気持ちが湧き上がってきて、気がついたら手を合わせて巨大な火の塊を拝んでいた。」


おお、メリメリですか~v-76

この気持ち、そうそう、そうよ、その通りなのよv-237どうして禰子さん、わたしの気持ちわかるのっv-41v-42v-41って思いましたよ。

あ、ラマーレじかにお水取りを見たことはありません・・・(汗)
前後に行ってましたので。

禰子さんの、この日記で、行くぞっと決意したかたがた、多いのではないでせうか・・・v-221
【2009/03/12 10:38】 URL | ラマーレ #-[ 編集] | page top↑
■tamayaさん、ラマーレさん

熟読していただき、こちらこそ多謝!
上記記事、嘘は書いていないものの、すこしだけ誤解をまねくところがありますので下記補足します。
日記に書いたように、一般の方でももちろん、午後6時までに上っておけば、間近にお松明を見ることができるのですが、実は昨日はしかるべき対価を払い、東大寺のお坊様のお話を聞いてお弁当を食べてからの参加でした。そのツアー?も普通に申し込めますし、お松明の終わったあとの聴聞は、それに入っているとさらに内陣で聞けます。残念ながら内陣は男性だけで、女性は「局(つぼね)」というところから覗けます。「局」は誰でも(男性でも)入れるみたいです(畳があるので、内陣より暖かいみたい)。電車を気にせず、奈良市内に泊まれるのであれば、是非真夜中まで聴聞したいものです。

こんなに喜んでいただけたので、がんばって後半も書きますねっ(汗)
【2009/03/12 17:27】 URL | 禰子 #xNtCea2Y[ 編集] | page top↑
読み物として
禰子たんのブログって、ほんとにちゃんと読み物になっているんだよね~。
本格的に物書きになってほしい気もする。歌人&物書き、ぴったりだと思う。
・・・ってそんな簡単なことではないけどさ。。

にしてもこの炎の写真!拝みたくなるようだ・・・(ゾロアスター?)
ああでも本当に信仰と火のかかわりは深いよね、とつくづく思わせられる写真だなぁ。

お水取りを体感したことはないけど、ビョークについての記述・・・
ああ、そういうかんじ、たしかにわかるような気がする。
と、なんかすごく納得しちゃったのも不思議。

あ、ファンシイダンス近々送るわ~♪(ってあれは禅宗だけど)
【2009/03/12 19:28】 URL | すずぼん #qDRrdO.I[ 編集] | page top↑
■すずぼん姉

おおっ、拝火教!祆教!ツァラトゥストラ!
なんか、松本清長に、奈良とゾロアスターをつなげた小説ありませなんだか??

って、すずぼん、あんまり褒めちゃいけやせんぜ。すぐ木に登るし、なんも出てこないし(笑)。

でも、ファンシイダンスは送ってね!(ハートマーク)

ビョーク似の法螺貝については、ミクシィの動画にアップしますた。
友人限定なので、見られない方ごめんちゃい。
【2009/03/12 22:33】 URL | 禰子 #xNtCea2Y[ 編集] | page top↑
わぁ。修二会ですか!

すごい炎!
業火に焼かれてみたい!(キケンな思想(^^;)

閼伽井は、若狭一ノ宮とつながっていたんだぁ!
(ホンモノの若狭井の記事まであるなんて、さすがディープなブログ!)


何年か前、テレビで特集があって・・・内陣の様子を見ましたよ。
過去帳の読み上げ(青衣の女人)、走りの行法、五体投地、、、厳しくも美しい。

ビョークとは、なるほど(^^)
【2009/03/12 22:42】 URL | みはる #tHX44QXM[ 編集] | page top↑
■みはるさん

>業火に焼かれてみたい!

ハハハ、ほんと危険思想v-411
でも、わたしもそのとき、
「このまま包まれたい」って少し思ってしもうた。
ほんまに間違って松明がやってきたら、
きっと一目散に逃げると思いますけど(爆)
【2009/03/12 22:51】 URL | 禰子 #xNtCea2Y[ 編集] | page top↑
3月12日23時45分以前に本記事を読んでくださった皆様、
大きな間違いをしていたのでお知らせします。

最初の行に「修正会(しゅじょうえ)」とあったのは、
「修二会(しゅにえ)」の間違いですっ!
恥ずかしっv-356

修正しました。寝ぼけてたなー、いやはや(まだ恥ずかしい…)。
【2009/03/12 23:49】 URL | 禰子 #xNtCea2Y[ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://chipoo.blog84.fc2.com/tb.php/350-0d7bb1e8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |