闇にゐる蕾
暁を抱いて闇にゐる蕾 鶴彬

一般的に「反戦川柳作家」という肩書きを持つ鶴彬(つる・あきら)という青年が29歳で亡くなったのが71年前、そして今年は生誕百年だ。
生誕百年といえば、太宰治、松本清張と同い年になる。
去年、太宰と清張が同い年と知ってずいぶん驚いた。
鶴彬のことは全然しらなかったけど。

石川県今のかほく市で生まれた鶴は、
叔父の養子になり工場を継いだプチブルジョアの側に居た。
ただし、叔父の文学に対する理解はなく、隠れるように石川啄木を愛読、
その他の文学にも触れた。
ところが叔父の事業の失敗によって、職を求めて大阪にやってくる。
その後東京や金沢を往復し、居候生活を基本としながら、川柳を作り続ける。
社会の矛盾を自分の体に直接浴びたことで、元来持っていた資質がさらに先鋭的になり、
鶴彬の名を歴史にとどめたともいえるし、またある意味では彼の体を滅ぼした。
無防備ともいえるプロレタリア活動、それによる投獄などで、
29歳で捕らえられた身のままこの世を去った。

昨年、大阪城(軍隊の監獄があり、水風呂の刑に処せられていたところでもある)に冒頭の
 「暁を抱いて闇にゐる蕾」
という川柳の句碑が出来たことを知った。

社会のこと、自然のこと、愛のこと、どれにもあてはまるような素敵な言葉がある。
上の句はその一つだなぁ、と思う。


ほんたうに美味しい食べ物が、
白いご飯にも、日本酒にも合うやうに。

……どうやら、最後の二行が言いたかったみたいに見えちゃうなぁ。。。
ああ、せっかく至極真面目に書いたのに。

鶴彬
映画も出来た。お近くで上映会があるときは是非。
カテゴリとしては自主上映映画に近いものですが、それなりに。

そうそう、春に金沢に行ったとき、すぐ下まで行った、
卯辰山公園にも、鶴彬の句碑があったらしい。
春には全然しらなかったのに、それはそれで不思議なご縁だ。

東茶屋街
【2009/07/10 00:30】 | 日々雑記 | トラックバック(0) | コメント(5) | page top↑
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コメント
「朝日」の「天声人語」でその映画のことが書かれていて(2009.6.7)、鶴彬を最後まで支えたという井上信子の「国境を知らぬ草の実こぼれ合ひ」という句に感じ入ってしまいました。
田辺聖子さんの『川柳でんでん太鼓』を買ってきたところです。(まだ読んでいません。)
「川柳マガジン」の昨年7月号に「川柳が刻んだ太平洋戦争」という特集があるそうです。
「川柳マガジン」という雑誌、川柳ファン必読の雑誌だそうです。ご存知でした? ナーンチャッテ!!^^/
【2009/07/10 10:06】 URL | tamaya #wMURzdEY[ 編集] | page top↑
■tamayaさん

金曜日、体調が悪くほうほうのていで取材に行ったのですが、
そこでも『川柳でんでん太鼓』の話が2回でてきましたYO!(私もまだ読んでいません^-^;;)

そうです。なかなか奇特な雑誌でございます。
どうぞご愛顧のほど。

あ!来月号も戦争特集でございます。
どうぞお楽しみに(^-^;
【2009/07/12 22:00】 URL | 禰子 #xNtCea2Y[ 編集] | page top↑
追伸
記事中に映画の案内をリンクしてくださってありがとうございました。昨日、東中野で見てきました。
う~~む・・・^^; ドキュメンタリーか伝記劇かもう少しどっちかにはっきりしてほしかったような・・・
それでも、鶴彬というひとについておおよそのところはわかりました。まあ、でも、あれは“上澄み”だけ掬ったみたいな話だと思います。

ひとつ思ったのは、「政治と文学の関係」に関してはあそこへ戻るわけにはゆかない、戻ってもロクなことにはならないだろう、ということ。例えば教育運動がいまさら革命的プロレタリア教育に戻るわけにはゆかないのと同じだろう、と思います。
もちろん、あのあたりのひとたちの苦闘には限りなく敬意を表したいと思いますが、それとは別個の問題として。
【2009/07/14 07:30】 URL | tamaya #wMURzdEY[ 編集] | page top↑
■tamayaさん

ご無沙汰してしまいました(いやー、やっと少し落ち着きました)。
そうですねー、わたし、はじめものすごーーく期待せず観たので(^-^;
こういうのって、最初の伝言で心証が上下しますよねー。
でも、兎に角、映画が出来た意味は大きいです。
もうちょっと盛り上がってくれたらいいんですけどねー。

たしかにプロレタリア運動に戻っても先がない。
そして、「闘争」とかでは得られないものとして、
未来、は私たちにより一層過酷なような気がします。
【2009/07/18 23:18】 URL | 禰子 #xNtCea2Y[ 編集] | page top↑
追伸の追伸
>いやー、やっと少し落ち着きました

いやー、まことおつかれさまです。

『川柳マガジン』7月号を立ち読みしていましたら、編集後記にて、この映画にいたく感激されて、鶴彬や井上剣花坊が生きて喋ってる! お馴染みの川柳が朗詠されてる~~!!って書かれていたスタッフの方もおられました。なあるほど、そういう眼で見たらそうなんだろうなあ、と思いました。

しかし、社会主義リアリズムみたいな主題主義はダメだから半径1メートルぐらいの題材で詠むしかないだろう(←いつの間にか短歌の話であります)っていうのもダメですよね。われら、そのいづれでもなき隘路を行かんとす。^^;
【2009/07/19 06:11】 URL | tamaya #wMURzdEY[ 編集] | page top↑
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