伊東吟行合宿 一日目 大室山から~下山 (副題:詳細記憶術やいかに)
大室山は異形の山だ。
普通、山には木が生えている。
なにも生えていない山はたいてい神聖化される。
富士山、しかり。
阿蘇山、しかり。
そして、なにも生えていないのはたいてい噴火による地質と関係するのだろう。
火を噴く山は、つまり神様なのだった。

と相変わらずな勝手な妄想をしつつ、吟行は始まっている。
てんでばらばらに歩く十七名。
ときにかたまり、ときに離れて、
のんびりとカルデラの頂上をまわる。
近くなのか遠くなのかよくわからない海が眼下に広がる。霞んでいる。
お地蔵様も見おろしている。

八ヶ岳地蔵尊

歌歴も、年齢も、越えて
「仲間」といっても、それぞれがちゃんとそれぞれで完全に独立していて、
好き勝手にやっているようでそれなりにお互い気を配りつつ、
ありえるようでなかなかありえない、なかなかいい感じじゃない?(笑)

「普通に歩いて20分」の大室山。
さすが、のんびり歩いてももう半分を過ぎた。

蝶々も飛んでいる。
黄色と黒色の蝶だ。動きがやたらに機敏。
この蝶は二日目の歌会でも話題になることとなる。

山側まで来た。
ここにもお地蔵様がいらした。
五智如来地蔵尊。
1663年、網元の娘が九歳で妊娠(!)。
ここ大室山の浅間神社に祈念したところ、無事安産したので、
「おはたし」と称して村の強力兄弟が一体の地蔵を3つに分割して、
計五体の地蔵を山頂まで運んだという…。
五知如来地蔵尊

五知如来地蔵尊2

強力だったばかりに山頂まで真鶴石で出来た地蔵を運ぶことになってしまった兄弟。
彼らのその後は、それに見合った保障をされたのだろうか…。
体がボロボロになって、仕事ができなくなったのか、
網元に認められて有力者になったのか。
看板には何も書いていなかった。
力太郎などの「よそ」から来た強力者は、昔から娘の婿などになるパターンが多い。
でも、「地元」の強力は…、「まれびと」でない「異端」に対する差別…。
なんとなく切ない運命しか想像できなかった。

あと大きめのカーブを一つまわれば一周だ。
歌はまったく出来ていない。
うーん、ま、今日中につくればいいんだし。

「大室山」の看板を囲んで、ちょうどその辺りにいた数人で飛んだり跳ねたり?しながら記念撮影。

先着組は…
なんか摘んでいた(笑)。ま、春ですからね。いいんですよ、摘んだって。
(そうです、4月11日のこと、今頃書いてます ^-^;)

さて、大概のアクシデントは集合時に既に済ませてあるので、
帰りは油断していた。

「あれ、リフトのチケットがない…」
Nさん、ありゃりゃー。
でも大丈夫。この山はノリ面に崩落の危険があるため、
かならずリフトで登ることになっているんですから、
ここに登っている人はかならず往復券を購入しているはず(だよね?)。
というわけで(だったかどうかは知んないけど)、
無事、全員リフトを降りて、バスで伊東へ戻る。

世話役数名はまた先行して荷物をつんで車に乗る。

一度通った道を帰るほうが早く感じる。
わりとすいすいと伊東へ戻る。
禰子は世話役組なので、車で宿の駐車場へ。
大型バスが停まっている。
ふむふむ、団体さんもいるのね。

なにげなく団体名を見る。
「風通しをよくする会」
ん?んん?
「C哲ちゃん、C哲ちゃん!コレコレ!これみて!」
「うわぁ!これはオモロイ!」

短歌界には有名な斉藤斎藤さん(も短歌人会の人です)の同人誌、「風通し」がある。
それを「よくする会」が「短歌人新人会」と同じところで一泊。
これは面白すぎる。。。

というわけで、宿についてまた爆笑。
風通しをよくする新人会??
隣りあわせだった。

というわけで、この項つづく。



【2009/07/20 01:43】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(7) | page top↑
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コメント
おお、なつかしい。
禰子ちゃま、臨場感ありまするよ!
空の青や、少しかすんだ海の色や、土の感触や、風の心地よさや…
【2009/07/20 07:23】 URL | 文 #oL3vnBpM[ 編集] | page top↑
うわぁ!まだ続いていたのかこの記録!うわぁ!怪力的詳細記憶!

そうでした、お地蔵さまがおられましたねぇ。さきほど某ネット歌会のコメント欄に、お地蔵さんはたいてい辻に立っているので「辻に立つ」は動くとか書いてしまったんですが、あのくだり、取り消そうかなあ・・・^^;

しかし、冒頭の御説でございますが、鋭い着眼点と感服いたしましたけれども、思うに山の辺の道の三輪山などは木が生い茂っておりますが山そのものが御神体となっております。あるいは稀少な例外かとも存じますが、こうした事例についてはどのようにお考えになられますでしょうか。(←「学会」風に言ってみましたぁ!)
【2009/07/20 08:41】 URL | tamaya #wMURzdEY[ 編集] | page top↑
禰子ちゃん おはようございます。

お地蔵さんについては、7月号に歌を載せてもらいました。あれを膨らませようと思うと、もっと膨らみますね。なつかしい。
【2009/07/20 10:39】 URL | かすみ #v28RnTd6[ 編集] | page top↑
うわぁ
びっくらした。
第二弾(第三弾?)合宿が速やかに決行されたのかと思った。まじで。
何行か読んで思い出したよ。前回までのあらすじ(笑)。

しかし、、

>「地元」の強力は…、「まれびと」でない「異端」に対する差別…。

ってそっちに思索を深めるところがネコタマ!とちょっと感慨深かったです。。うう。
【2009/07/21 18:09】 URL | すずぼん #qDRrdO.I[ 編集] | page top↑
そうかあ、禰子は強力兄弟に深く思索を巡らせていたんだ。実はぼくも浅く巡らせていた。それを吟行歌にしたのだった。

しかし、よく覚えているねえ。でも、みんな覚えているよね。

この日曜日の東京歌会はなんと65人の最大人数だった。そこに出詠したぼくの歌は、この合宿のときの歌。
そうそう、決して遅くはないのです。ぼくもまだ書いてるんだから。
【2009/07/22 00:25】 URL | 知哲 #hurAyYjo[ 編集] | page top↑
■文さん

>空の青や、少しかすんだ海の色や、土の感触や、風の心地よさや…

思い出しますね。リフトであのてっぺんに連れて行かれるのが最高だった。

■tamayaさん

そうですよー。全10回の予定なんですのよ。
どこまでいくか。しかももうすぐ全国歌会の報告もUP予定ですしねー。連載ものが増えてきました。
不定期連載というのが痛いですが(汗)

■すずぼん

ほんと、第二弾かとおもうずらー。
でも、ちがうのらー。

>そっちに思索

うんうん、妄想系なんで(^-^;つい。
でも、何故かその構造が気になるんだわ。
私、前世で何したんでしょうね、一体。

■知哲兄ちゃん

そっか、巡らせていたんだ、兄ちゃんも。
歌会で65人はすごいです。
関西だったらえらいことや(65人が関西弁で歌評しているヒートアップした会場を想像ください)。
とにかくがんばって連載を最後まで続けたい!

【2009/07/24 00:04】 URL | 禰子 #xNtCea2Y[ 編集] | page top↑
わぁ!ごめんなさいっ
■かすみさま

わー、しばらく放置していてコメントいっぱい頂いていて、カスミンのスルーしていました(><)

そうでしたね。大室山の連作でしたね。
あの伸びやかな雰囲気が行っていない人にも伝わるお歌だと思います。
そうですよね、しつこく(笑)膨らませましょう。
今年いっぱいはみんなもう一度大室山で出詠しよっか!
【2009/07/24 19:53】 URL | 禰子 #xNtCea2Y[ 編集] | page top↑
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