短歌人誌7月号より 1
なかなか毎月ちゃんと目を通せていない短歌人誌。

少しずつ好きな歌を掲載させていただきます。

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きさらぎのよるのそこひにならびたり草食の吾(あ)と蟹を食む母
ダライ・ラマ十四世がTwitter(ツイッター)でつぶやくを見る吾(あ)も中国も
春宵のさくらはなびら「もう」といふ言葉をのせてふりそそぎたり
疑問符の打ち方知らぬ母からの「行かない」はいざなひとおぎなひぬ
ホームまで見送るための入場券さびしき春の秘色(ひそく)を手にす
すれちがひざまに胸に触れ走り去る自転車の男Vサインせり
                               澤志帆

1首にできなくて、8首のうち6首も選んでしまいました。
1首1首でもいいのですが、こういうつながりで読むとまた趣があります。


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夏には夏の、冬には冬の仕儀があり、朝の鼻風邪、昼の大汗
理屈などとうに忘れた、筋なんかはじめからない、泣くならば泣け
                               生沼義朗

なぜか夏に鍋を食べたくなりました。


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「ほっとくとオオカミになる」と田村さん野犬には「名を付けとくとよい」
                               小野澤繁雄


絶対そうなんだと思うし、これから絶対そうしようと思う。
田村さんてあの?


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緋色のアルバムひらきたるとき若き日の母は平凡に美しかりし
                               橘 夏生


<平凡に美しかりし>が、母との距離を語っている。


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癇癪持ちの徳富蘆花を知りてより臨終の部屋のさびしきかぎり
朔太郎は商品にならずゴールデンウィークなれどさびし文学館
                               斎藤典子


朔太郎の商品分析はこれが初出、か?


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バスガイド那覇をゆきつつハブはをれど夜行性ゆゑ怖るなといふ
夜行性にて夜(よ)はいきいきとやや湿る短歌地帯這ふわれはハブかも
                               蒔田さくら子


蒔田さん…短歌人女子は夜行性ハブが多いのですきっと。
「やや湿る」、ふつうでは絶対詠めない。
そういえば蒔田さんの歌は風の歌もこの歌も空気中の水分の多少を肌で感じる。


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あかつきの夢に母来てみずからの十七年忌の段取り話す
                               岡崎宏子


鯉のぼり青と赤とが垂れ下がる三日続きの晴れにつかれて
                               真木 勉


発光しループし大橋ジャンクション異界に入り異界より出る
                               藤原龍一郎


九十九になりたる母をみてをればわれにわが知らぬ笑ひはうかぶ
その頬を口を撫づればいのちはめぐり生後ひとつきの赤子となりぬ
九十九歳の母の誕生日祝はむとその枕辺にわれ一人来つ
                               小池 光


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今日は同人1のみでした。



【2010/07/05 23:57】 | 短歌人誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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