短歌人 2010年8月号20代30代会員競詠
■安息国■

                   勺 禰子(しゃく・ねこ)

半年の学生証を持つ春の規則正しく一日(ひとひ)は終はる

もう深夜残業もない毎日の眠りは少し浅くなつた

人に会ふといふは都合のいい言葉性別のない人はゐないのに

はかなさをおもふときのみ存在が確かさを主張してきて困る

雨の奈良を君とゆくとふ青年の母国の湖(うみ)はウィキペディアに光る ※

その昔安息国と呼ばれゐし中央アジアの景色果て無し

ボロディンの「中央アジアの草原にて」を久々に吾が内耳に聴きぬ

君からのメールが灼けたカラクムの砂のにほひに運ばれる宵

青年が母国で想ひ出す時にほんたうに降る大和の雨は


小文「異邦人」
  (今回小文のタイトルは「わたしの好きな歌」という課題でした)

 小学二年生の私がいつも口ずさんでいた久保田早紀のヒット曲。
 異国を思わせるイントロに続き彼女のどこか人を寄せ付けない(ゆえに) 澄んだ声が耳に届くと、
 まだ知らない「別れ」に思いを馳せた(おませでした)。


  ※の歌は短歌人誌には載っていません(15首提出のうち8首掲載という決まりなので)が、
   すこし流れが?かもしれないので、ブログで勝手に復活させてしまいました(・・;
   今回の出詠歌群がちりぢりばらばらだったので、選歌でとてもご迷惑をおかけしたとお思います。
   Fさま、本当にすみませんっ m(_ _)m
【2010/07/29 11:00】 | 短歌人誌 | トラックバック(0) | コメント(3) | page top↑
<<短歌人会夏季全国集会 in 名古屋 その1 | ホーム | 鹿いろいろ>>
コメント
短歌人の場合、誌面に採る数が決まっているので、採られなかったと言っても、その歌が採られた歌に劣るとは限らないようです。
以前小池さんがどこかで書いていらっしゃったけれど、(佑子さんの歌集だったか?)、酒井佑子さんは、提出の月例詠草十五首全部にほとんど捨てる歌がなく、それでも八首までなので何時も残念な思いをしている、と。
もっとも、わたしで言えば、提出十五首のうち、七首も採れる歌はないのだけれど、せっかく七首と言う枠があるのだから、できるかぎり七首まで載せてあげよう、と言う選者ごころもある訳で。

一連、後半に向けて、大きな風景となってゆきますねぇ。乾いた空気の匂いがします。
そして、大和の雨に引き戻される。
禰子ちゃまは、ストーリー・テラー。
【2010/07/29 17:48】 URL | 文 #oL3vnBpM[ 編集] | page top↑
今でも『異邦人』を聴きますよ。久保田早紀(久米小百合)さんの歌は他にもいい歌がありますからね。

僕もそろそろ、作歌を再開します。昨日、kの音がどうもひっかかるようになって、カ行の歌を作るかもしれません。
【2010/07/29 18:26】 URL | H.Iba #PMMYkzMc[ 編集] | page top↑
■文さん

難しいですよね。今回などは10首くらいでちょうどよかったのに、なんとなく無理くりくっつけちゃったので(苦笑)。
酒井さん、さすがです。
今回の卓上噴水や高瀬賞でも思いましたが、連作ってほんとにむずかしい。
でも、だんだん連作好きになってきました(うふ)。

■H.Iba

久保田早紀さん、ほんと子供心に素敵でいつも見とれていました。
作歌再開、たのしみにしています。
カ行、いいじゃない(^-^)
私、カキ氷の歌作ってしまいそう(笑)
【2010/07/30 11:34】 URL | 禰子 #xNtCea2Y[ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://chipoo.blog84.fc2.com/tb.php/533-6e7dfcb8
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |