ところで
先ほど書いた、秋山虔氏の「源氏物語」(社会思想社・現代教養文庫)だが、
少し前に古本で100円で購入。
奥付を見ると、

昭和46年9月30日初版

とある。同級生、やw

かなり端折ってはいるものの、
250ページそこそこで、
源氏物語の空気を一気に読める、という点では、
一押しの良書、と言えるような気がします。
登場人物にあまりに語らせる現代語訳というのではなく、
語らせないままに、余韻で源氏のかなしみの世界をうまく描いていると思う。
(といいつつ、社会思想社はすでに過去の出版社です)

古典学者でありながら、
学者としてだけではなく、何か衝動に駆られたような熱い解説も秀逸。

伊藤整の言葉を引用して、
(以下、解説文を引用)
かって伊藤整氏は、『文芸読本』の中で次のように述べたことがある。
「私の目には各時代特有の通念化された小説の考え方や形式が実に巨大な生き物として、その時代の中央に怪物のようにのさばっていて、作家の一人一人は、それに鎖でつながれていてほんの少しだけ動きまわることを許されていたところの奴隷のようなものとしか見えないのである。」といったことがある。これは作家の個性、独自性の否定ではなく、時代の個性をどのように駆使し発展させ、新しい可能性の中に、どのように自己を生かすのかの問題である。
(引用おわり)

というのは、源氏物語だけに向けられた言葉ではない。
【2010/12/12 01:10】 | 日々雑記 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
最近、古本の世界とも縁遠く、良書を見つけられたことは良かったと思います。

自分の場合、そもそも基本がなっていないので勉強になります。
【2010/12/12 10:36】 URL | H.IBA #-[ 編集] | page top↑
■H.IBAさん

わたしも基本がゆらゆらでして(^-^;

ほんとうにたくさんの人が、
目に見えて、目に見えず、さまざまなものを書き残している。
単純にどれも等しく貴重だ、とは言わないですが、有名になった作品だけがあるのではない。淘汰の原理としても、やはりみんなで書かねばならないのだ、と思います。
それが局面までくると、全体主義も個人主義も超える、と。

源氏物語の時代しかり、われわれの時代もしかり、ということで。
【2010/12/12 23:14】 URL | 禰子 #xNtCea2Y[ 編集] | page top↑
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