変容を遂……
fune.jpg

現代短歌「舟の会」機関誌「舟」Vol.17号に参加させていただいた。
私自身の中では、春に発表した「暗越奈良街道」の続編にあたります。

---

「変容を遂……」  勺 禰子


腕相撲組みたふさるる激しさに女男(めを)の違ひを知りぬ十六

魂(コン)の字はたましひといふ訓読みの、いにしへびとの勇気を思ふ

逢つた日は印をつける。手帳とはつまり逢へない日を裏返す

接ぐと注ぐでは同じ音でも間断の具合が違ふ。接ぐ、はさみしい

きまぐれな猫といふけどそのときの猫は真剣だつたと思ふ

最近は闇も夜明けも受け入れてただ自転する地球に乗つて

すこしずつ小さくなつてゆくやうだ涙を溜めておくこの袋

「閉」のボタン急いで押してホームまで三秒長く二人の箱だ

山少し越えたところに君はゐてすがた変はれどいつも、いつも

穏やかな眠りはすこし触れながらそれでも連れて行つて呉れない

連なれる歌の屛風か君と吾を隔て繋げる生駒山とは

吾のみじかき生命線を幾たびも爪でくきくきくき伸ばす君

満月を迎へはじめて空の蒼も吾もやうやう透きとほりゆく

真夜中の森を粘菌ひろがりて変容を遂げる 朝の森にて

さまざまなことは動いて大阪の空も定刻どほり秋空

---

超結社で「書きたいときに書きたいだけ」をモットーに依田仁美さん主宰で作られている。数冊手元にありますので、お読みになりたい方がもしいらっしゃいましたらお知らせください。(ブログ左下のメールフォームから直接メール送信できます)

生駒山
大阪側より生駒山を望む(左から暗〔くらがり〕峠、鳴川〔なるかわ〕峠、十三〔じゅうさん〕峠がある) 撮影:勺禰子
【2010/12/24 01:00】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
<<降誕祭 | ホーム | びめう>>
コメント
山の名前
インターネットで何か言葉を検索していると、ついでに山の名を検索する癖があります。禰子さんの歌にはよく「山」という言葉や山の名前が出てきますね。非常に印象的です。

【2010/12/24 17:40】 URL | H.IBA #-[ 編集] | page top↑
■H.IBAさん

山や峠に何かしら親和性を感じてしまいます。
きっと里山と同じく、人間の作り出した景観の一つですが、ふっと、「行ってはいけない一歩」を内包しているという点で、里山より境界にふらふらとおびき寄せられてしまいます。

ちなみに山というのはそれぞれで、神様と思われている山から、敬われているのかもしれないけど、あんまり名前をちゃんとつけてもらっていない山まで(笑)、千差万別だそうです。
【2010/12/24 23:53】 URL | 禰子 #xNtCea2Y[ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://chipoo.blog84.fc2.com/tb.php/660-12f67887
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |