日月宙 第73号
天象儀を並び見上げて手をつなぐこと易ければこそ 触れざりき

夕映えの川面 静かに並びゐてそれでも既に駆けだしてゐた

まだ荒れてゐた吾の手を天守閣ならび見しのち初めて君は、

対義語は向き合ふ言葉たちのこと 関係性は認知されてゐる

換算表は必ず比例するものと思ふ愚に枯葉は一斉に降る

抱きしめて呉れてわかつた春風がすでに吹いてゐて凍えてゐた

惨劇といふはたやすきことならず赤き腹みせ百足死ぬとき

一斗缶下げし男のゆくすゑを誰も忘れて暮るる上町

重吉のやうに光に「いつまでもかなしかれ」とただ貫かれゐる

やはらかなはなびらが母である茄子をふふめば吾に充ちるむらさき

                     勺 禰子(しゃく・ねこ)

※天象儀(てんしょうぎ)…プラネタリウムのこと
【2012/05/27 23:21】 | 歌会・その他短歌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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