短歌人 8月号
『途上の家族』    勺 禰子 (しゃく ねこ)


 不機嫌が基本にあるといふ君の眉間の黒子(ほくろ)に吹く朱い風
 
 ホームへとゆく階段に今朝もまだある蛾の屍骸がオブジェのごとく

 特急の速さでたとえば人だけが直立不動で進んでる朝

 また今朝も滑り込む九時人の汗は無駄に流せばこんなに臭い

 本当はいらないような 乳枯れの母として ゆとりなき妻として

 動物園で子を眠らせば間近まで寄り来る雀のするものがたり

 天駆けの小角(おづぬ)を置いて降りてきた。道知らなくに途上の家族

 あたらしき隧道(トンネル)の口やさしくて君入り来たるときのくらやみ

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短歌人8月号が届いた。
8月号の特集は「20代・30代会員作品競詠」
そこに載せていただいた。
初めて題をつけたひとまとまり(といっても、ほとんどブログで出したものだけど)。
各自15首送って、小池光氏によって8首が選ばれる。
【2007/07/27 21:29】 | 短歌人誌 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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